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2006-04-08

<子どものアトリエ>のご紹介

  • 目黒区八雲にある、小学生対象・少人数制の絵画・造形教室です。 このブログは、その生徒さん、保護者の方にあてた、授業の後記です。 生徒さんが、保護者の方と一緒に読めるように、ひらがなと、やさしい漢字で書いています。

2006年11 月

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おすすめの本

  • パトリック・ジュースキント: ゾマーさんのこと

    パトリック・ジュースキント: ゾマーさんのこと
    ゾマーさんはいつも歩いています。すごいスピードで、みすぼらしい服にリュックサックと杖といういでたちで。文字どおり歩く歩く歩く......。町のどこで見かけても、雨の日も、風の日も、雪の日も、やはり歩いています。あまりにもそのスピードが早いので、主人公の少年いわく、「風のように感じる」そうです。何故ゾマーさんは歩き続けるのか。少年は想像します。でも彼はまだ少年ですから、彼自身の日常に大忙し。ゾマーさんへの疑問は時に、彼自身の日常の出来事にかき消されます。大人の行為に憤慨したり、恋をしたりと......。そんなある日、少年は思いがけない場所で、ゾマーさんに遭遇します。ゾマーさんの抱える心の闇を、少年ははからずものぞくことになるのですが、謎はやはり謎のまま。それでいいのでしょうねきっと。とうてい分かり得ないものを、そのまま受け止める、そんな体験こそがひとを大人にするのですから。重いテーマをさらりと読ませる、軽快な文章、少年の喜怒哀楽の描写の愉快さ。そして、サンペの愛らしい挿絵。こんなパーフェクトな本には、なかなか出会えません。

  • リチャード・バック: イリュージョン

    リチャード・バック: イリュージョン
    リチャード・バックと言えば、「カモメのジョナサン」ですよね。でも私はこの作品を先に読みました。目から鱗とは、このこと!というような体験をしました。気楽な飛行機乗りがひとりの男と出会って、友情を分かち合い、彼の存在によって、目の前の世界の不思議を知る、というお話です。わたしの世界は、自分が思っているよりも、もっともっと、うーんと、自分の思うままになっているのかも知れない。ということは、ということは.........?人生はしょせん幻想でしょうか?どこに真実があるのか?そんな疑問を、この作品を読んで、始めて持ちました。寓話として読める比較的短いお話です。

  • 柚木沙弥郎: 魔法のことば

    柚木沙弥郎: 魔法のことば
    大昔、ことばは今よりも、強くて不思議なちからを持っていた....。という、イヌイットの人々に伝わる詩をもとにして作られた絵本です。柚木さん(ゆのきさんと読みます)の絵がとてもすばらしいです。ぐうぜん、古本屋さんで見つけて、すぐに買うことを決めました。読み終わってから、なんだか、自分の記憶の奥深くをのぞいたような気がしました。

  • ケストナー: 点子ちゃんとアントン

    ケストナー: 点子ちゃんとアントン
    ドイツの児童文学者、ケストナーの作品は、どれも楽しくておすすめなのですが、この作品は特に価値があると思います。小気味よいストーリーの裏に、ストレートな社会批判が存在していて、なかなか刺激的です。点子ちゃんという名前は変わってますよね。実はこれはドイツ語をそのまま日本語訳しただけなのですが、私はこれはいいアイデアだと思います。「点子ちゃん」という名前は、おてんばで可愛い女の子にぴったりの名前だと、思いませんか?

  • ニコラス・ペーリー: キッズ・サバイバル

    ニコラス・ペーリー: キッズ・サバイバル
    保護者のみなさんにおすすめします。Finding Art's Placeというアメリカの教育学者の著作の日本語版です。「生き残る子どもたちの[アートプロジェクト]」という副題がついており、子どもたちが主体となるアートプロジェクトを3件紹介しています。困難をのりこえるために何をすべきなのか、子どもたちにその考える権利と行動する権利があるということを強く訴えてきます。現代社会が抱える問題、心の闇に対して、戦って、生き残るんだ。そのためにアートがあるということを。プロジェクトの遂行者として紹介されているK.O.S.+Tim Rollinsは子どもたちと一人の先生のアーティスト集団として、高い評価を受けています。(K.O.S.= Kids of Survivalの略) 子どもたちは、保護され、教育されるだけではなく、考えて、行動する、Survivorであると強く信じさせてくれる、誇り高い一冊です。

  • 寺村輝夫: わかったさんのアップルパイ

    寺村輝夫: わかったさんのアップルパイ
    下記の「こまったさん」シリーズはご飯、こちらの「わかったさん」シリーズはお菓子、です。「わかったさん」はクリーニング屋さんのおじょうさんでお店をおてつだいしているのですが、これまたいつも仕事中に事件にまきこまれます。そしてお菓子を作ることに.......。言わなくてもお分かりでしょうが、わかったさんの口ぐせは「わかった、わかった。」です。ふわーんといいにおいがただよってくるような、すてきなお話です。

  • 寺村輝夫: こまったさんのオムレツ
    「こまったさんのおみせはえきのまえです。小さな小さな花やさんです。」と始まるお料理絵本シリーズの一作です。こまったさんはいつも不思議な事件にまきこまれ、なぜか必ずお料理をすることに。そんなぼうけんをいつも楽しんでしまうのがこまったさんのすごいところ。そこでしたお料理のしかたやコツをしっかりおぼえて帰ってきます。すてきな絵とゆかいなお話、それにお料理のヒントがちりばめられた楽しい歌。みなさんもきっと、歌いながらお料理ができるようになりますよ。
  • ブルーノ・ムナーリ: 木をかこう

    ブルーノ・ムナーリ: 木をかこう
    なんてことだろう、この本の存在を知らなかったなんて....と思いました。私がこの本をはじめて読んだのは23歳の時でした。長い間、木を描いても、なんだか満足いかなかった。木らしくない木をかいちゃったなぁ、と毎回思っていたのです。でもこの本を読んでからはもうそんなこととは、おさらばです。「自然を写すことは一つの課題であり、自然を理解することはもう一つの課題である。」この本の著者、アーティストであり、教育者でもあったブルーノ・ムナーリの言葉です。紙と鉛筆を用意して、読んでみてください。みなさんも、ぜったい、木を描くのが大好きになります。もとから好きな人はもっと好きになり、嫌いだった人は今までの気持ちがうそのように大好きになりますよ。私は子どものうちにこれを読んでおきたかったなぁ..............。

  • トーベ・ヤンソン: たのしいムーミン一家

    トーベ・ヤンソン: たのしいムーミン一家
    いわずと知れた、ムーミンシリーズですが、最近の子どもたちは知っているのでしょうか?私も小さい頃は、アニメの印象しかありませんでしたが、大人になって小説をはじめて読んだ時の驚きといったら!これは傑作だ!!と思いました。トーベヤンソンの描く、オリジナルの挿画と物語の生み出す世界は、ファンタジーでありながら、その枠を大きく越え、こちらの読み方次第でいろいろなことを教えてくれます。大きいだけでなく、厳しい北欧の自然。洪水、彗星の落下、長く厳しい冬、そんな自然の仕打ちに対して怒らず、流れるように暮らすムーミン谷の生き物たち。そしてその生き物たちのユニークなこと!はっきり言って、変人(変な生き物?)ばかりなのです。しかしその誰もが、ムーミン谷では受け入れられている。「個性とは?」なんて問いかけは馬鹿馬鹿しく思えてきます。ほのぼのしているイメージが先行している「ムーミン」ですが、ぜひともお話を読んでいただきたいものです。大人も必読!いい童話は子どもだけのものではないと、あらためて思います。

  • A・ホルム: 誕生日の青い自転車
    主人公のオッレは8歳の誕生日にお父さんから自転車をもらいます。ほしくてたまらなかったけれど、お父さんは必要ないといってずっと買ってくれなかったのです。ピカピカの青い自転車!その自転車をめぐって、事件が起きます。そしてそのことを誰にも打ち明けられないオッレ。まだ小学生のオッレにとっては生きるか死ぬかの問題。この話を読んだとき私はまだ小学生でしたから、本当に共感したものです。ほしいものを買ってもらえなかったとき、両親のいうことに反発したとき、友達との関係に悩んだとき....。子どもの悩みや気持ちがとてもドラマティックに描かれています。読んでいると、まるで自分のことに思えてきてしまうすごい1冊です。
  • 宮沢賢治: ポラーノの広場

    宮沢賢治: ポラーノの広場
    子どものころは全然好きではありませんでした。教科書で取り上げられている作品、「雨ニモマケズ」や、「よだかの星」や、「永訣の朝」、「春と修羅」....、どれに対しても、暗い、つらい話というマイナスのイメージしかなかったのです。しかしそれは賢治の一部分を見ているにすぎないことに気づいたのが、この作品。大人にも、子どもにも読んでもらいたい本です。表題になっている短編「ポラーノの広場」、私はこの作品が最高に好きです。夢と希望、現実と失望、そしてそれを乗り越える生命のすばらしさが見事に表現されています。ここで紹介しているのは、新潮文庫から出ているものなので、子どもたちには読みにくいかもしれませんが、他の出版社から絵本も出ています。

  • 福永令三: クレヨン王国

    福永令三: クレヨン王国
    アトリエに来るみなさんにおすすめします。動物、人間、そして架空の生き物たちが「クレヨン王国」を舞台に冒険をするシリーズです。著者の福永さんは自然と生き物をとっても愛しており、人間に対する深くて優しい視点を持っています。ファンタジーですが、とっても真実味があります。何よりもとってもおもしろいです。私からの説明など、いらないくらいおもしろい!このシリーズを読まなければ、私の人生、ちがうものになっていたかも、と今思います。どれもおもしろいのですが、特に私が好きなのは、「月のたまご」、「パトロール隊長」、「春の小川」、「黒の銀行」、「赤とんぼ」...やっぱり、書ききれないですね。ちなみに、大人が読んでも十分面白いと思いますよ。私は今でもよく読みます。写真をクリックするとシリーズの中のひとつがあらわれますが、30作品くらいあるので、お気に入りを見つけてみてください。

  • 小笠原年男: わかる?現代アート

    小笠原年男: わかる?現代アート
    保護者のかたにおすすめします。難解と思われがちな現代アートを「これは独断と偏見だからね!」と前置きしながらスパスパ切って説明しています。現代アート?分からないから嫌!と言わず、だまされたと思って読んでみて下さい。意外に自分との深い結びつきを発見するかも。この本の著者に、私はお世話になったのですが、専門知識はいっさい述べず、また業界人的なものの言い方をせず、アートとは何かを教えてくれました。残念なことに、去年亡くなりました。

おすすめの音楽

  • Various Artists -

    Various Artists: World Playground: Musical Adventure for Kids
    "putumayo"というコンピレーションアルバムがあります。世界中の音楽、いわゆるワールドミュージックを集めたシリーズです。まずそのジャケットのイラストの可愛さにくらっときて、買ったのですが、おさめられている音楽もすばらしいです。1枚1枚にテーマがあり、例えば、ケルト民族の音楽を紹介する1枚、愛について歌われている音楽を集めた1枚、コーヒーの原産国の音楽を集めた1枚など。それぞれに素敵なタイトルがつけられています。このシリーズには子どもに向けたものもあります。その名も、「ワールドプレイグラウンド」。リンクしているアマゾンでは試聴ができます。

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